かゆみ
かゆみは目に見える症状ではないため、そのつらさや不快感は、ご本人にしか分からないものです。
搔けば掻くほどかゆみを増長させてしまいます。かゆみをコントロールすることが症状を改善させる方法の一つです。
一言でかゆみといっても様々な疾患があります。湿疹、アトピー性皮膚炎、じんましん、かぶれ、虫刺され、水虫、水いぼなど、かゆみの症状のある疾患は多数あります。症状と経過をみて、場合により検査をすることで診断します。
「いつ・どんな時にかゆくなるのか」「どんなかゆみがあるのか(ムズムズする・ピリピリするなど)」などを、診察時に詳しくお伝えください。繰り返す症状はエピソードなどをメモし、ご持参いただくと診察の参考になります。慢性化している場合は今までの治療経過などもご持参ください。
湿疹
皮膚表面の炎症を湿疹といいます。
湿疹の経過は多様です。赤い斑点(紅斑)から始まり、ブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(小水疱)、膿をもった状態(膿疱)になり、徐々にかさぶた(痂皮)、カサカサ(落屑)し、慢性的に繰り返すとゴワゴワ(苔癬化) してきます。すべてが揃わない場合もたくさんあります。
湿疹を伴う疾患としてはアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、貨幣状湿疹、痒疹などそれぞれの特徴ある疾患があります。
脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌の多い場所(頭皮、おでこ、頬、鼻のまわり、耳のうしろ)などにできやすい湿疹です。皮脂や汗の分泌が増えると、マラセチアというカビの菌の一種が増えてフケ、かゆみなどの皮膚炎を起こすと言われています。
皮脂欠乏性湿疹
皮膚表面の皮脂が減少すると水分量も減り皮膚がカサカサしてきます。すねや太もも、腰回りは症状が出やすい部位です。加齢や季節、生活習慣などで乾燥しやすくなります。乾燥して皮膚のバリア機能が低下すると炎症を起こしやすくなり、かゆみ、赤みなどの症状が出てきます。
しっかり定期的に保湿することが大事です。
かゆみ、赤みがでてきたらステロイド系外用剤を併用致します。
いずれの場合も、湿疹が現れた場合には、かゆみや炎症をおさえる薬で様子を見ながらその原因を突き止め、それぞれに合ったお薬を使用します。
なお、湿疹が出やすい方は、日常的に皮膚を清潔にすることを心がけ、症状が出やすい箇所に刺激物が触れないよう気をつけることも大切です。
じんましん
じんましんは、赤くなったり、盛り上がったり、ブツブツしたり、繋がったり様々な形をし、強いかゆみを伴います。掻くと広がったり、数分から数時間程度で消えてしまったり、場所が移動したりする、動きのある発疹をいいます。
人がイラクサ(蕁麻(じんま))の葉に触れると、同様の皮膚症状が起こることからこの名前がつきました。ひどい場合には全身に広がったり、粘膜(目やくちびる)が腫れたり、息苦しくなったりすることもあります。
じんましんには、 一時的な「急性じんましん」と、再発を繰り返す「慢性じんましん」があります。慢性になるとなかなか治りづらく、内服が長期化することもしばしばあります。焦らずに定期的に通院していただき、状況に応じて治療していきます。
原因ははっきりとわからないことも多いですが、エピソードなどを伺って原因の可能性をお話します。アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。アレルギー性のものは血液検査で調べることが可能な場合もあります。非アレルギー性のものには、機械的な圧迫や寒冷、温熱、紫外線などの刺激が原因になっていることがあります。詳しい検査を行っても原因がわからないことも多々あります。
かぶれ
かぶれとは外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応です。
主に「刺激性」と「アレルギー性」の2種類に分類されます。
刺激性のかぶれは、肌が原因となる物質に触れたことにより、ヒリヒリしたりムズムズしたりといった症状が出ます。消毒剤などのかぶれはこちらになります。アレルギー体質の人でなくても全員皮膚の刺激により起こるかぶれです。
アレルギー性のかぶれは、原因となる物質に初めて触れた時には症状が出ず、2回目以降に症状が出はじめます。繰り返し触れることにより感作(異物と認識)し、免疫反応(異物を排除使用とする反応)を起こします。化粧品や湿布などのかぶれ、金属アレルギーはこちらになります。
かぶれの診断はエピソードがとても重要です。何をつけたのか、何に触れて悪化したかなど、診察時に伺います。エピソードだけでは原因がはっきりわからない場合、パッチテストで原因を調べる方法もあります。
パッチテストとは
皮膚炎の原因として皮膚に接触する化学物質、日用品、化粧品、薬剤、歯科金属、食物などが関係していないかを調べる検査です。
背部に種々のアレルゲンを貼り、2日後、3日後、7日後に反応を見ます。
思いがけないアレルゲンが判明することもあり、今後の皮膚炎の予防にもつながります。
パッチテストは予約制です。涼しい季節が望ましい検査です。保険適応できます。
全身性金属皮膚炎
ニッケル、クロム、コバルトはアレルギーの多い金属です。チョコレートやココア、豆類、香辛料、貝類などに多く含まれます。また、歯科金属はパラジウム、金、水銀、銀などが多く、時に、ニッケル、クロム、コバルトも含むこともあります。 これらの金属が体内に吸収され、掌蹠膿疱症、汗疱状湿疹、扁平苔癬、貨幣状湿疹、痒疹、紅皮症を発症し、慢性化することがあります。摂取の制限によって症状が軽快することがあります。
虫刺され
日常的な環境からレジャーなど虫にさされる場所は数多くあります。
虫の種類もカ、ノミ、ダニ、ブユ、シラミ、ムカデ、ハチ、アリなど様々です。反応の仕方も個人差がかなりあります。カに刺されると、刺された翌日になって赤く腫れ数日続く人、刺されてすぐにじんましんのように赤く腫れてすぐに消える人、この両方が出る人、全く反応がない人など人によって反応は様々です。
一般的には子供の方が腫れやすく、高齢になると反応が少なくなります。また、ハチ類に何度も刺されると全身に蕁麻疹ができ、(息苦しさ、嘔吐、腹痛、悪心など(アナフィラキシー)を起こすこともあるので注意が必要です。
初期の対応がとても大切です。掻き壊して、とびひになったり、慢性化して痕に残ったりします。適切な薬を使用してなるべく早めに治すことがコツです。
あせも
あせもは、汗を多量にかいた後に、汗がうまく皮膚の外に排出されず、汗が出る管が詰まることにより発症します。汗が大きく関係しますので、夏に多い病気です。
あせもには、皮膚の表面近くに汗が溜まってできプツプツとした無色のものと、それより深いところにできて、かゆみを伴う赤いあせもの主な2種類があります。
無色のあせもは、かゆみもなく、自然に治るようであれば、特に治療の必要はありません。
赤いあせもは、患部が炎症を起こしている状態のため、かゆみみがあったり、掻き壊すと広がったり、悪化したりする場合がありますので適切なケアが必要です。症状に応じて治療します。
水虫
水虫は、白癬菌(カビ)が皮膚、爪などに感染する疾患です。ケラチンという蛋白を栄養源に生きているカビなので、ケラチンの豊富な皮膚の表面の角層に感染します。
一度治ったように見えても繰り返し再発するやっかいな病気の一つです。
特に夏になり、汗をかくようになると水虫の原因になる白癬菌の活動が活発化し、かゆみや目に見える症状が出てくるようになります。夏には5人に1人は足白癬、10人に1人は爪白癬と言われています。
しかし、秋冬の低温で乾燥した環境では白癬菌が活動できないため症状が見えず、治ったように気がしてしまいますが、条件が合えば症状がすぐに再発しますので、根気よく治療を続けることが重要です。
最近は、秋冬でもブーツや通気性の悪い靴を履くことが原因となって白癬菌の活動に向いた高温多湿の環境を作ってしまい、一年中水虫の症状に悩まれる方も多くいらっしゃいます。
水虫には、足の指の間の皮がむけたりただれたりする趾間型と、足全体に小さい水疱ができる小水疱型があり、一般的にはこの2つが水虫の大半を占めています。慢性化すると足裏全体が硬く厚くなる角質増殖型へ変化していきます。白癬菌が足の爪に感染する爪白癬もあり、爪が白く濁ったり、厚くなったりします。
また、水虫によく似たかゆみや水疱ができる他の病気もありますので、水虫だと思い込んで市販薬を使ってしまう方も多く、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
水虫は、白癬菌の有無を確かめ、いかに早く・継続的に行うかが重要になりますので、気になる症状がある場合には、どうぞお早めに当クリニックへお越しください。
水虫の治療は塗り薬が中心となります。爪白癬は以前、抗真菌薬を内服しなければなかなかよくなりませんでしたが、現在は外用剤でかなり効果が出るもの発売され、ご高齢の方でも安心して治療できるようになりました。
かゆみや見た目の症状が治まるとつい薬を中断したり忘れてしまいますが、治ったと感じても、医師の指示した期間は必ず続けるようにしてください。
そして、白癬菌の好む環境を作らないよう、通気性のよい靴や靴下を履いたり、帰宅後はすぐに足を洗ったりして、常に清潔を心がけましょう。
いぼ
いぼは、加齢が原因で生じるものから、100種類以上あるウイルスが原因となるものまで様々なものがあります。全身のあらゆる場所にできる可能性があり、その種類によって症状も異なります。
特に、いぼの大半を占めるウイルスが原因となるものは、正常な健康な皮膚には感染できないと考えられていますが、小さな傷があるとそこからウイルスが侵入し、感染してイボをつくると考えられています。また、時間が経つと広がったり他の人に感染させたりする怖れもあります。
いぼは、ウイルスが残っていれば、何度でも再発します。しっかりと完治するまで治療を継続する必要があります。治療は、症状によって異なりますが、液体窒素によって患部を凍結させ、ウイルスを表皮の細胞ごと破壊していく方法が基本になります。1から2週間毎の通院が必要になります。
多くの場合、1回で治すのは難しく、何回か繰り返してやっと治るというのが通常です。根気強く、治療していきます。なかなか治らない方には漢方(ヨクイニン)を内服したり、角質が厚い方はメスで丁寧に削ったり、薬剤で焼灼したりします。
たこ・うおのめ
たこ・うおのめは、皮膚の一部が慢性的に圧迫や摩擦による刺激を受けて皮膚が厚くなる症状が特徴です。
たこは、皮膚が外側に厚く盛り上がりますが、芯はありません。うおのめは、厚くなった角質が皮膚の内部に向かってくさび状に芯ができ、ひどくなると上から押されるなど少しの刺激でも痛みを感じるようになります。
たこ・うおのめの原因
- 合わない靴を履いている
- 長時間の歩行する
- 姿勢や歩き方が悪く足に余計な力がかかる
- 年齢とともに脂肪組織が減って骨が出っ張る
たこ・うおのめの治療は、痛みが強い場合は貼り薬で硬くなった部分を柔らかくして取り除いたり、メスを用いて外科的に取り除いたりします。
可能な限り原因を除去し、再発を防ぐことが大切です。
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にきび
にきびってどんな病気?
にきびは90%の方が経験する身近な病気です。皮脂の多い部分にできやすく特に、顔に出来ることが多く、赤みが強ければ目立ち、治っても痕を残すことが多いです。最近は治療法も進んで早期から治療出来るようになりましたので、是非医療機関をご利用ください。
にきびループ
にきびができたり治ったりを繰り返す状態を、にきびループと呼んでいます。
治療してもくり返してしまう、にきびループをとめられないのは、隠れにきび(白にきびや黒にきび)をそのままにしてしまっているからです。
炎症を起こして赤くなったにきびのほかにも、赤くなる前のたくさんのにきびが隠れている可能性があります。隠れにきび(白にきびや黒にきび)と赤いにきび両方を治療する事が大切です。
にきびの治療
にきびの治療は、過酸化ベンゾイル、アダパレンや抗菌薬などを使用します。
アダパレンは、炎症のない白にきびや黒にきびに効果が、抗菌薬は炎症を起こした赤にきびに効果があります。
また、過酸化ベンゾイルは赤にきび、白にきび、黒にきびそれぞれに効果があり、実際には患者さんごとの症状に合わせて、これらを組み合わせた治療を行います。症状に応じて内服療法も行っております。
ケミカルピーリング、イオン導入、院内製剤などニキビに効果のあるもののご提案も致します。
当クリニックでは、炎症のない初期のにきびから治療が可能です。ぜひご相談ください!
にきびは、生活スタイル(睡眠)や栄養バランス、ストレスなどが複雑に絡み合ってできやすくなります。
特に、食習慣は重要で、皮脂の栄養となりやすい脂肪分や糖分を過剰にとると、皮脂が毛穴に溜まり、ニキビが発症します。また、逆にカロリーを抑え過ぎることも肌に栄養が行き渡らないことになり、肌荒れからニキビができやすい状態につながります。
生活指導なども丁寧に行っております。
難治なニキビ、女性で生理前に悪化するにきびなどは漢方などの処方も行っております。
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 初期の炎症、小丘疹や小膿疱などの小型にきび
- 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
- 体力中等度以上で赤ら顔、ときにのぼせのある方のにきび、顔面、頭部の湿疹
- 荊芥連翹湯(けいかいれんぎょうとう)
- 体力中等度以上で皮膚の色が浅黒い方のにきび、慢性鼻炎など
- 桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
- 比較的体力があり、肩こり、頭重、のぼせ、足冷え、生理不順、手荒れなどがある方のにきび、しみ
化膿
皮膚は日常的に様々な細菌に接触していますが、細菌が進入することを防ぐ働きがありますので、通常であればすぐに化膿することはありません。
しかし、皮膚の抵抗力や免疫力が低下していたり、皮膚に炎症や傷を持っていたり、皮膚を不潔な状態にしていると、細菌に感染して化膿してしまいます。
皮膚が赤く腫れたり、痛みを伴ったり、熱感が現れたりします。皮膚表面だけのものから皮下組織にも及ぶこともあります。爪のまわりの小さなキズから細菌感染を起こし、ひょう疽になったり、下肢全体が腫れて蜂窩織炎になったりと程度は様々です。キズは清潔にし、速やかに抗生剤による治療をするのがベストです。
掌蹠膿疱症
手のひら、足の裏に左右対称性に赤い斑点(紅斑)、カサカサした皮膚(鱗屑)、うみを持った発疹(膿疱)が現れます。かゆみを伴う場合もあります。これらが繰り返されます。
掌蹠膿疱症の原因
- 扁桃炎、虫歯、副鼻腔炎、中耳炎などの病巣感染
- 金属アレルギー(歯科金属など)
- 喫煙
※原因がはっきりわからない場合もあります。
掌蹠膿疱症の治療
- 外用療法(ステロイド、ビタミンD3)
- 中波紫外線療法(エキシマライト)
※原因がはっきりわからない場合もあります。
帯状疱疹
帯状疱疹ってどんな病気?
帯状疱疹は、刺すようなピリピリとした痛みと、帯状の赤い斑点と小さな水ぶくれが続いて現れる病気で、この症状から「帯状疱疹」という名前が付けられています。
また、抗ヘルペスウイルス薬は早めの方が効果的です。痛みを伴う発疹が出た場合はどうぞお早目に当クリニックへお越しください。
水ぼうそうと帯状疱疹の関係
はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した時は、水ぼうそうとして発症しますが、ウイルスは水ぼうそうが治った体内の神経節に潜んでいます。
そして、加齢やストレス、過労などが引き金となって免疫力が低下すると、体内に潜んでいたウイルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。
帯状疱疹の経過
皮膚に症状がでる数日~1週間ほど前より身体の片側にピリピリした痛みや違和感を生じることが多いです。その後、徐々に痛みが強くなり、身体の片側の神経に沿って帯状に赤い斑点、水ぶくれが出てきます。次第に乾いてかさぶたになり、場合によって痕を残します。皮膚症状が治った後も神経痛が残る事があります。
帯状疱疹の治療
帯状疱疹の治療は、ウイルスの増殖を抑える抗ヘルペスウイルス薬を中心に行います。
抗ヘルペスウイルス薬は、飲み始めてから効果が現れるまでに2日程度かかりますので、すぐに効果が現れないからと服用量を増やしたり、途中でやめたりすることはいけません。
また、抗ヘルペスウイルス薬は、早く飲み始めるほど効果が期待できますので、気になる症状がおありの際は、どうぞお早目に当クリニックへお越しください。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが原因で起こり、唇やその周囲に小さな水ぶくれが出来ます。
感染力が強く、直接的な接触やウイルスがついたタオルやグラスなどを介して感染していきます。患部に触れた後はきちんと手洗いする、マスクを着用するなどを心がけてください。
このウイルスは、すでに感染している人が、風邪、ストレス、紫外線、老化などで体力が低下した時など、隙があれば再発を繰り返します。大人の方の口唇ヘルペスは、ほとんど再発型です。
症状が出ても自然に収まったり、再発のたびに軽症化していったりすることもありますが、悪化してしまうと再発率も上がり症状も重くなるので、発症した時に正しい治療を行うこと重要です。
口唇ヘルペスには、抗ウイルス薬を使用します。外用・内服の2種類をヘルペスの状態や症状により使い分けます。そして、患部を清潔に保ち、免疫力が落ちないように、食事や睡眠などに気を付けて規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜め込まないようにすることも大切です。
やけど
まず、やけどはその症状によって1度から3度に分けられます。初期の対応がとても大事です。
早めに炎症を抑えて上げることで重症度はかなり変わります。1度であれば、患部のクーリングや外用で改善することも多いですが、2度になると治療に時間がかかり、痕が残ることもあります。
やけどをしたら軽症だと思ってもご自身で判断することなく、患部を冷やしながらすぐに当クリニックへお越しください。目安は流水で15~30分冷却するのが望ましいです。
症状によって外用薬を使い分け、場合によっては抗菌剤内服薬を使用して適切に治療いたします。
なお、3度になると皮下組織の脂肪組織や筋膜にまで及ぶ深いやけどです。
痕が残るだけでなく機能障害も残り、長期間に渡る治療が必要となり、植皮などの外科治療が必要になってきます。その場合は適切な治療が可能な大きな医療機関へすぐにご紹介いたします。
日焼け
日焼けは、赤くなるものと黒くなるものに分けられます。
赤くなった場合はサンバーンといい、痛みを伴い、水ぶくれを起こすこともあります。いわゆるやけどの状態です。肌の白い方は赤くなることが特に多いので、注意が必要です。
黒くなる場合は、サンタンといい、メラニンという色素が作られた後、表皮に現れてきます。メラニンはその働きで紫外線によるDNAの損傷を防いでいます。つまり、黒くなる日焼けを起こすということは、それだけ表皮の細胞のDNAが傷ついているということになります。
通常ならばその傷はいずれ修復されますが、うまく修復できなかった傷が積み重なると、老化(しわ、しみ)、場合によっては皮膚がんの原因になってしまいます。
日焼けの治療は、やけどと同じようにまず患部を冷やします。そして、焼けた部分に強い痛みが出たり、水ぶくれができたりした場合、ぜひ受診してください。 予防は日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘を使用したりして紫外線を防御していくことが大切です。美肌の秘訣です。