アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
かゆみを伴う乾燥性の湿疹が良くなったり悪くなったり繰り返し慢性の経過を取ります。
患者様の多くはアトピー素因をもつと定義されています。
慢性の経過とは乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上とされています。
アトピー性皮膚炎の原因はまだ完全には明らかとなっていないのですが、生まれつき(遺伝的に)乾燥しやすく外からの刺激で湿疹を生じやすい皮膚の質に、汗やホコリによる刺激、食物やダニのアレルギー、精神的・肉体的ストレスなどが関連して発症するものと考えられています。
アトピー性皮膚炎と乾燥肌
アトピー性皮膚炎では皮膚の乾燥症状がよく見られますが、それはなぜでしょうか?
一般に皮膚のうるおい成分は皮脂、天然保湿因子、角質間脂質という3つの物質によって保たれています。
ところが、アトピー性皮膚炎になると角質細胞間脂質と言われる物質が特に減ってしまうため、乾燥すると考えられています。
乾燥肌を放おっておくと湿疹がさらに悪化しますので、こまめな保湿は重要なスキンケアになってきます。
アトピーの原因
※悪化させる原因は人それぞれで異なります。必要に応じて指導致します。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎の治療は、患者さんごとの症状に合わせて行いますが、
- 悪化させる原因の検索と対応(血液検査:View39 TARC)
- スキンケア
- お薬による治療
- 中波紫外線療法(エキシマライト)
この4点を適切に組み合わせて進めていきます。
適切な治療をきちんと受ければ、いずれ治ったと同様の状態になることが可能です。一人ひとりに合ったケアを見つけていくことが大切です。
当院では日本皮膚科学会ガイドラインに沿った治療を行っております。
じんましん
じんましんは、赤くなったり、盛り上がったり、ブツブツしたり、繋がったり様々な形をし、強いかゆみを伴います。掻くと広がったり、数分から数時間程度で消えてしまったり、場所が移動したりする、動きのある発疹をいいます。
人がイラクサ(蕁麻(じんま))の葉に触れると、同様の皮膚症状が起こることからこの名前がつきました。
ひどい場合には全身に広がったり、粘膜(目やくちびる)が腫れたり、息苦しくなったりすることもあります。
じんましんには、 一時的な「急性じんましん」と、再発を繰り返す「慢性じんましん」があります。
慢性になるとなかなか治りづらく、内服が長期化することもしばしばあります。
焦らずに定期的に通院していただき、状況に応じて治療していきます。
原因ははっきりとわからないことも多いですが、エピソードなどを伺って原因の可能性をお話します。
アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。
アレルギー性のものは血液検査で調べることが可能です。
非アレルギー性のものには、機械的な圧迫や寒冷、温熱、紫外線などの刺激による検査をします。
詳しい検査を行っても原因がわからないことも多々あります。
かぶれ
かぶれとは外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応です。
主に「刺激性」と「アレルギー性」の2種類に分類されます。
刺激性のかぶれは、肌が原因となる物質に触れたことにより、ヒリヒリしたりムズムズしたりといった症状が出ます。
消毒剤などのかぶれはこちらになります。アレルギー体質の人でなくても全員皮膚の刺激により起こるかぶれです。
アレルギー性のかぶれは、原因となる物質に初めて触れた時には症状が出ず、2回目以降に症状が出はじめます。
化粧品や湿布などのかぶれ、金属アレルギーはこちらになります。
他にも症状は様々ですが、かぶれの診断はエピソードがとても重要です。
何をつけたのかや、何に触れて悪化したかなど、診察時に伺います。エピソードだけでは原因がはっきりわからない場合、パッチテストで原因を調べる方法もあります。
パッチテストとは
皮膚炎の原因として皮膚に接触する化学物質、日用品、化粧品、薬剤、歯科金属、食物などが関係していないかを調べる検査です。
背部に種々のアレルゲンを貼り、2日後、3日後、7日後に反応を見ます。
思いがけないアレルゲンが判明することもあり、今後の皮膚炎の予防にもつながります。
パッチテストは予約制です。涼しい季節が望ましい検査です。保険適応できます。
花粉症
スギやヒノキなどの植物の花粉が原因になって、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状を出します。
その他にはのどの違和感、咳、皮膚のかゆみなどの症状も出ることがあります。
鼻や目と同様に花粉が肌につくと、免疫機構(異物を追い出そうとする働き)によって、アレルギー症状をおこします。
とくにアトピー性皮膚炎、乾燥など皮膚の免疫が下がっている方は症状が出やすくなります。
早めの対応が効果的です。
舌下免疫療法
アレルギー疾患の病因アレルゲンを投与していくことにより、アレルゲンに曝露された場合に引き起こされる関連症状を緩和する治療法であり、アレルギー疾患の自然経過を改善させることが可能な治療 法と考えられています。
対象疾患は、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などがあります。
施行法としては、注射による皮下免疫療法と舌下投与による舌下免疫療法などがあります。当院では舌下免疫療法を導入しております。
特異的IgE抗体検査等により病因アレルゲンを正確に同定し、治療を行っていきます。
食物アレルギー
食物アレルギーとは、食べたり、触ったり、吸い込んだりした食物に対して、 体を守るはずの免疫のシステムが、過剰に反応して起きる有害な症状をいいます。
口や目の周りが赤くなったり、鼻水やくしゃみが出たり、喉がイガイガしたり、お腹が痛くなったり、場合によっては全身に赤い発疹が広がったり、息苦しくなったりと症状は様々です。
近年、食物アレルギーの患者様は増加しております。
テレビや新聞などメディアでも食物アレルギーが取り上げられ、社会の食物アレルギーに対する関心が高まっています。
ただ、症状にはかなり幅があり、どのような対応が必要かは、症状の程度によります。
不安を感じる場合は是非一度ご相談ください。必要がある場合は大きな医療機関にご紹介致します。